ヤンキー上がりの芸人、たくさんいます。面白い人もいるけど、大体おもんないんですよね。
大体、面白くない。売れるかどうかでは、こういう人らのほうがおもんない。
ヤンキー上がりの芸人、想像してみてください。
大体、おもんないでしょ(笑)?
えー、これ、なぜかってことを研究してみました。
きっかけは、何年か前にあった出来事です。
トークライブをやってたんですよ。白鯨で。
同期のヤンキー上がり君がたまたま客席に飲みに来ていて、そのままの流れで、ライブはじまっても、こっちを観てる。
で、あろうことか、呼んでもないのに、ビール瓶片手に、舞台に上がりこんできたんです。
なんじゃ、こいつ!
それだけでも、なんじゃこいつ、なんですが、そのあとの態度も最低なんです。
勝手にお邪魔してごめんなぁ、みたいな態度が一切ない。
それどころか、僕は、いつもお世話になってる仲良しの後輩と舞台に出てたのに、その後輩が喋ってる最中に、テキトーにあしらったり、「舞台見てたけど、さっきのアソコ、ウケてなかったぞ」みたいに言い出す始末。なぜ、自分が滑り続けているとには気づかないのか、理解に苦しみます。
テロです。
あまりにも頭に来て、次の日LINEで怒りました。どうせ屁理屈言って、反撃してくるんやろうなあと思ってたので、反撃されにくいような文章を送りました。
呼んでもないのに勝手に舞台あがってくるな。ああいうのは違うと思う。
これだけ。
コツは、余分なことを書かないこと。余分なこと書くと、揚げ足の手段を与える。
絶対ごちゃごちゃ言ってくると思ったけど、謝ってきました。それでも無視です。相手にしたら、本人のためにならない。
こいつを見ていて、ヤンキー上がりが面白くない理由がわかりました。
殴って望みを叶えてこれたからです。おもろくなる必要がないんです。
で、なぜ僕のほうがはるかに面白いのか?
簡単です。人に気をつかってきたからです。
客席にこの同期君がいる時点で、僕は少し嫌な予感がしました。
だから、トークしてる最中にも、「こいつが上がってきにくい話題とは?」という制約つきでトークをしていました。
大喜利が余分に、一個乗っかってるわけですね。
上がってきてからも、「後輩がやりにくそうなので、話題を変える方法とは?」とか「この無作法なアホを少し黙らせる方法とは?」など、様々な大喜利が余分に、二個、三個と乗っかってきています。
これが答えです。
出された大喜利のお題だけ考えてればいいのではなく、あと、一個とか、二個とか余分に大喜利のお題が常に乗っかっている。
それが、気をつかうってことです。
そりゃ、おもろくなるに決まってる。面白い人は優しいっていうことの1つの答えでもあります。
まあ、お笑いは、ここまでで半分。
僕も強くならないとあかんので、多少はヤンキー君を見習うとしましょう。かたなあかん時もあるからね。