
皆さんこんにちは!初めまして、カネミノブと申します。フットボールアワーと同期のお笑い芸人です。
この度、竹内義和先生及びオオトリーヌ様のご厚意により、アワーズ学級新聞に文章を寄稿させていただける事になりました。カネミノブという人間を知ってもらうための素敵な発表の場を与えて下さった事を大変感謝いたします。
私事で恐縮ではございますが、昨年、2017年9月4日に地下アイドル風味シンガーソングライター・星歌未来と入籍致しました。(星歌未来Twitter・・・@39mikuseika)
現在、星歌未来は僕が運営している芸能プロダクション「ココロノメディア」に所属しており、現場担当のマネージャーも僕が直接担当しております。お笑い芸人の道は続けながらも、音楽イベント企画・新人アイドル育成・文筆業などの活動を並行している僕にとって、星歌未来が音楽業界で成長していく姿を文章という形で発信できるのは好機という他ありません。
彼女の日々の活動状況を、マネージャーである僕の目から見た個人的な印象も含めてこの場で逐一報告していきたいと思っております。
第1回目は2018/3/3(土)の星歌未来活動レポートです。
◆3月3日(土曜日)◆
道頓堀・ナンバーゲートで開催される女性シンガーイベント「M.J.GIRLS JAM Vol.1 OSAKA」に星歌未来が出演。ポンバシ(日本橋)界隈でお馴染みの地下アイドルから本格派ギター弾き語りまで、関西の各ジャンルにおけるトップクラスの演者がひな祭りに集結したといっても過言では無い、予想外のハイレベルな顔ぶれにマネージャーの僕も気合が入り、襟を正して出陣。
昼過ぎに会場到着。イベントは既に始まっている。関西地下アイドル・シンガー界の慣習として、早い時間帯からのイベントでなおかつ自分の出番まで時間がある場合、リハ無しで本番1時間程前に楽屋入りする事が多い。特にアイドル系は週末になると同じ日に複数の現場を回すので各会場への楽屋入りが出番ギリギリになるのが常景だ。
3番手の朝美あさみさんから入場。(Twitter・・・@asami_prprmh)安定の実力者だ。足を負傷しているのか、着席スタイルでのパフォーマンス。曲はダイアモンドクレバス。ヴォーカルの魅力で押していく方針か。歌唱技術に関しては絶対的な信頼性があるからこそ可能な演出である。
2曲目、from Y to Y。今度はボカロを持ってきた。緩みなく根締めされた低音部からサビに向かって重厚な推進力を秘めたヴォーカルワークで踏み込んでいく、歌い手としての芯の強さ。落雷が闇を暴くように転調していく大サビで放たれるゲージ満タンの気迫に圧倒される。
3曲目、初めての恋が終わる時。MCでは「重たいバラードをよく歌うけど本当はポヤーッとした人間なんです」と自己分析している通り、ヘビーなサウンドに彼女の柔和な人柄がマーブル模様のように絡み合う、まさに彼女のパーソナルな魅力を説明するには最適の曲だった。
続いては早乙女麗那さん。(Twitter・・・@Sakicherun)歌手からモデル・TVタレントまでマルチなフィールドで才能を発揮し、単なる「地下アイドル」として括られる集団からは一歩抜け出した感のある彼女。そろそろ大ブレイクへの決定打の快音が聞かれそうな気配を漂わせている。経験・技術・精神力の三拍子揃ったステージング能力で1曲目からボルテージは限界値に。
MCでは「みんな元気がない!鳥取の方が人口少ないのに元気!」とユーモアたっぷりの話術で観客の心を生掴みにする。からの2曲目。和情緒のエッセンスが注入された優雅かつ疾走感溢れるサウンドの波を滑るように歌い上げる。MCも含めたこのステージ運びはもはや職人芸の領域。
3曲目。改めて衣装に視線を転じる。ホットパンツから伸びる美脚が眩しい、カジュアルな私服風ファッション。大胆に肌を露出するフェティッシュな衣装から女子大生的な親近感のあるスタイルまでどのようなテーマの着こなしにおいても自身の魅力をしっかりと引き出していくセルフプロデュース能力の高さには定評があり、業界関係者が新人のフリーソロアイドルに「まず早乙女麗那の佇まいを参考にしなさい」とアドバイスする、という話も頷ける。
5番手、奏遥香さん。(Twitter・・・@kanata_deko)自身のプロフィールで「後先考えずに走り続けたい」と宣言している通り、過去には十番勝負と題した定期ツーマン、そして今年からは季節毎に違う箱で主催ライブを開くなど、常に自分を追い込んでポテンシャルを高めていくストイックなセルフ・マネージメントが魅力の彼女。前髪の分け目が独特な、おでこを大胆に見せるショートカットでデビュー当初から一貫してボーイッシュな雰囲気を保っているのも個人的には好みである。(注意:カネミノブは重度のショートカットフェチ)
1曲目。感情を抑える事なくアグレッシブな姿勢でフロアにソウルをぶつけていく前向きなステージング、躍動感溢れるステップワーク。曲の終わりからMCへの流れ方も非常にスムーズ。元々歌唱力は最強だったが様々な経験を糧に総合的な表現スキルが研磨されているのを確信。
2曲目。重量感のあるロッカバラード調のサウンドスケープを背に、大正浪漫風の衣装との見事な調和がとれたリリカルかつエネルギッシュな佇まいで熱唱。3曲目もバラード。ここに来て演者としての深みがより一層増してきたという印象。今年はシンガーとして周囲の予想を良い意味で裏切る、度肝を抜くような大仕事をやってのけそうだ。
6番手、いよいよ星歌未来の出番。
シアーな声質とフラジャイルな立ち居振舞いが特徴だが、繊細さの中に負けん気の強さを秘めた、一旦ハマると中毒性の高いステージワークに、観客も無意識のうちに固唾を飲んで見守っている様子。
星歌未来の課題は、歌っている時、力が入ると片足が無意味に上がってしまう事。これは体幹が安定していない証拠だが、この動作を長所として生かしきるのであれば逆に決まった箇所でポーズとして演出に組み込むだけのステージングの地力が必要となってくる。僕は常に彼女のパフォーマンスを現場でチェックし、帰宅後に課題点と改善点を伝えるというルーティンワークをライブ当日の動きの中に組み込んでいる。そしてそれが夫婦喧嘩の火種となる(笑)。
7番手、marieさん。(Twitter・・・@kitty4dskx2)福井県出身SSW(シンガーソングライター)。高身長に赤いミニスカートが健康的な艶やかさを強調させ、思わず目を奪われる。1曲目はフックの強いサビが印象的な心温まるラブソング「届きますように」。軸の安定したヴォーカルは大舞台になるほど真価を発揮しそう。ライブハウス向きの声質だ。
2曲目は尾崎豊で「I LOVE YOU」。意表を突いた男性ヴォーカルナンバー。原曲の世界観を忠実に切々と歌い上げつつここでも押しの強い気迫のこもったヴォーカルワークはアーティストとしてのセンスの良さ、素質の高さがステージという文脈から明確に読み取れる。
3曲目はピアノオンリーのバッキングで哀調漂うオリジナル曲を情感たっぷりに表現していく。更に4曲目は風景が一変したように明るいテンポのポップソング。軽快なステップも披露。最後までメリハリのあるステージ構成には感嘆しきりであった。
ひかりのおもちさん。(Twitter・・・@hikari__n)本日の出演者の中では比較的ポンバシ界隈の地下アイドルイベントにも積極的に参戦する、シンガー・アイドル水陸両用の柔軟性が売りのアーティストであり、サウンドを抵抗無く体内に吸収していく抜群のリズム感覚を誇る。
裾のゆったりと広がったネイビーのセーラー風ワンピースで登場。イベントのコンセプト上、キレカジ系ファッションの演者が多いせいもあるが、いつもより幼さが目立つ。
1曲目に選んだのはなんとでんぱ組.incのキラキラチューン!クール系のシンガーが多い今日のイベントで裏をかいてゴリゴリのアイドルナンバーを持ってきた。このクレバーなステージ戦略。基本的には王道のパフォーマンススタイルであり、奇抜なギミックを仕掛けてくるタイプでこそないが、他の演者と同じ色には決して染まらないという強靭な意思表示。
2曲目、くちづけキボンヌ。でんぱを重ねてきた。先程とは雰囲気を変えた曲調をチョイスしてメリハリのあるステージ構築を図る。ギアを落としてウェッティな声質に切り替え、ガーリーな空気でサウンドを塗装していく。彼女の豊富なステージ経験値を基にはじき出された、アイドル曲でもシンガー相手に戦えるという勝算に狂いは無かった。徐々に会場をおもちペースに巻き込んでいく。
ステージに座り込んでMC。今年で活動5年目、まさに舞台が自宅の部屋のような落ち着き払った振る舞い。しかしポンバシ界隈には彼女でもまだ中堅と言ってもいいくらい芸歴の長い地下アイドルが犇めいており、実力も伯仲、まさに将棋のA級順位戦最終局のような厳しい戦いが日夜繰り広げられているのだ。関西インディーズの層の厚さを再確認させてくれた。
9番手、川栄しろさん。(Twitter・・・@shirosakae)大阪育ちの都会っ子。都市開発が進む阿倍野区が誇る新感覚シンガー&モデル&ベリーダンサーであり、従来のアーティストの枠組みには収まらない多彩な活動フィールドを見せている。
注目の1曲目、脚を大胆に開いて妖しく腰を回していくモーションを随所に織り込む大人のパフォーマンスを展開。ヒップラインをギリギリまで露出した衣装にオーディエンスも釘付けだ。しかし真の見所はサイド移動の際の流れるようなダンスワークと印象的なアームスの動き。
2曲目、ここでもセクシーなヒップラインを惜しげもなく強調する、男性の本能にダイレクトな刺激を与えるステージング。そしてやはりバランス感覚に優れたポジショニングをベースに軽快なサイド移動と旋回を巧みに織り交ぜるダンスワーク。このあたりはベリーダンス仕込みだろう。
3曲目は布袋寅泰でバンビーナ。と、ここで星歌未来に次の用事があるため移動。最後まで聴きたかった。川栄しろさん、「上品なエロス」とはまさに彼女のステージの様相を表現する言葉である。
向かった先は奈良。星歌未来がお世話になっているレコーディングスタジオの先生がライブに出るというので応援しに行くのだ。
途中で公園に寄って撮影。
ライブを観る前に腹ごしらえをしようという事になったが、会場がある近鉄奈良線新大宮駅付近にはリーズナブルな飲食店が少なく、やっと見つけたくら寿司は土曜日という事もあって家族連れでアホみたいに混んでいた。席が空くのを待っている間、小学校低学年の子供が退屈しのぎに走り回り、牛乳の匂いが蔓延していた。なぜ子供の体からは牛乳の匂いがするのか。
アコースティックライブバー「Billy」に到着。星歌未来のレコーディングを担当していただいた、ボイストレーナー兼現役ミュージシャンとしても活躍する品川明子さんによるピアノ弾き語り。
フリーキーに鍵盤を跳躍するピアノリフ、メロディーラインを横滑りするかのような掴みどころのない幻惑の主旋律が芸術的印象度の高い楽曲を生み出す。
ポーランドに遠征しての演奏経験もある品川さん、ポーランドの伝統ある音楽文化を身体に吸収しての凱旋帰国を果たし、国内でも最高峰の演奏技術を持った指先は鍵盤にメロディーの魔法をかける。星歌未来とはまさに将棋の杉本昌隆と藤井聡太の関係性。果たして星歌未来が彼女を越える日は訪れるのか?!
ちなみに品川さんがMCで語った「社会主義の国だったので、1989年まで音楽に「著作権」というものが存在しなかった」というポーランド小ネタはかなりツボだった(笑)。
この日は昼がアイドル&シンガーイベントに出演、夜はアコースティックライブのしっとりとした雰囲気に浸り、星歌未来にとっても僕にとってもテンションの切り換えが激しい1日だったが、シンガーソングライターとアイドルの両面の顔を持った星歌未来だからこそ分野を跨いだ人脈が築けていると思うので、そのあたりの長所はマネージャーとして外部にしっかりアピールしていかねばならない。
需要は無いが次回に続く
カネミノブ(Twitter・・・@hamusaradasan)
星歌未来(Twitter・・・@39mikuseika)
所属事務所:ココロノメディア(Twitter・・・@kokoronomedia)
【告知】
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