「汚れ演歌」というジャンルがあります。はいて捨てるほどある売れてない演歌歌手を指しての言葉ではありません。汚れ演歌歌手として売れるには、上品さが必要なのです。汚れているけど汚れてない……この感覚こそが大事なのです。汚れてない演歌歌手というと、五木ひろしや前川きよし、森進一と言ったところでしょうか。では、汚れ演歌歌手の代表と言えば、矢吹健、宮路おさむ、そして宮史郎に尽きるでしょうね。これは、アクションスターにも言えることで、所謂A級のアクションスターと言えば(古くてすみませんが)ジャッキー・チェン、シルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガーで決まりですよね。では、B級のアクションスター、つまり汚れアクションスターはジョン・バンダム、スティーブン・セガール、チャック・ノリスなのでした。バンダムは僕から言わせれば宮史郎で、汚れ業界の最高峰に位置する人物です。バンダムは年老いて肉体も精神も汚れきっていました。今更、出来のいい映画なんかに出ることもないだろうと、ファンである僕もそう思っていたのですね。が、しかし、やってくれました。新作の「マキシマム・ブラッド」!これが、凄いのです。内容的にはもはや汚れなきA級の作品でしたし、バンダム自体も輝いていました。晩年、あゆとのCMでメジャーに躍り出た宮史郎のごとく、ジョン・バンダムもこの作品でかつての勢いを取り戻したと言ってもいいでしょう。さあみなさん、TSUTAYAで借りて見てくださいませ!いいですよ。泣きますよ。