おくればせながら、「桐島、部活やめるってよ」を見ました。何が凄いとか展開が面白いとかなんもないけど、感動してしまいました。たかが高校生の群像劇、切実だけど幼い人間関係、回収されない伏線、締まらないラスト……。ここがよくないと言えばきりがないくらい不満が出てくる映画なのに、こんなにも感動している。そう、瑞々しいのです。あの頃の僕たちは、ほんとこんなにも青く、それでいて鈍く、がむしゃらにカッコ悪く輝いていたのだと思わされてしまいました。もちろんこの作品、桐島という人物を巡ってのミステリアスな構成になっているので、そこに向かって進んでいく気持ちよさはあります。ただそれが回収されないだけで。回収されないのが、青春なんですよね、多分。知らんけど。神木くんと東出くんが、8ミリカメラを手に、さりげない会話を交わしてる時に、僕は理由もなく号泣していたのでした。