ついに公開されました「バットマン対スーパーマン」ですが、初日に行ってまいりました。個人的な評価は、大満足でしたね。まあ、いろいろありますよ。物語の整合性の欠如とか、バットマンとスーパーマンのヒーローらしからぬナイーブさとか。でもね、この映画はそんなところにいちゃもんを入れるものではないと思います。もちろん、だからといって金にあかした特撮シーンの凄まじさに酔いしれとけばいいのだと言うつもりもありません。この映画の一番のポイントは、横綱級のヒーロー2人が激突する展開なのに、アベンジャーズ的な明るさをいっさい無くしたことでしょう。バットマンもスーパーマンもマジなんですよ。ショッキリじゃなくガチンコ。そして2人ともそんなに賢くない。ここですよ、今回のポイントは。考えても見てください。スーパーマンは地球人類ではなく、異星の人間なんです。人類からすれば、神様並の力を持っているんですね。だから、スーパーマンが戦うのは人智を超えた相手です。超スピードで空を飛び、1発のパンチで高層ビルを破壊します。かたや、バットマンはどうか?その正体は、ただの人間なんですね。だから、戦う相手はあくまでも人間なんですね。考えても見てください。バットスーツがいくら丈夫でも、スーパーマンの小指でトンと突かれただけで即死ですよね。そんな2人がまともに戦えるわけがないのです。そしてまた、互いの「正義」も違いすぎます。バットマンは、悪人に両親を殺されたが故に「悪」を憎んでいます。彼の正義は、善良な人間の命を守ること。スーパーマンの正義は、祖国の惑星を悪人に破壊されたが故に自分を育ててくれた地球を守ること。そのためには、多少の犠牲は仕方ないと思っています。バットマンの活躍中に、巻き込まれて死亡する善良な人間は皆無に近いですが、スーパーマンが活躍すると、多数の人間が命を無くしていきます。バットマンとスーパーマンは、水と油ほどの違いがあるのです。この2人を登場させるには、顔見せ興業的なイベント映画にするしかないのですね。だけど、今回の「バットマン対スーパーマン」は、両者をガチンコで対決させるという不可能に近い設定にしたのでした。もう、この心意気だけで僕は満足なのですが、水と油をマジで撹拌させたがために若干ミルク化した感はありましたがね。しかしその甘さもまたよし。80点!