○月○日
本日は塵芥の収集日である。
自分が居を構えている町では塵芥の分別のルールにおいて7種の区分を設けている。
それは読めば読むほど微細なルールが決められていたことに十数年気が付かなかった。
例えば、自分は洋服等は「燃えるごみの日」に出していたが、本来は「資源ごみの日」に出すのがルールになっていた。
また、昨今さまざまな飲料等に使用されているペットボトルに関しては、水洗いをし、潰して出してください。
これは順守していたが、ペットボトルのキャップ・ラベルは「燃えるごみの日」に出していたが
本来はキャップ・ラベルは「その他プラの日」という別の日が設定されていた。
自分はルールを知らなかった。自分は十数年ルールを守っていなかった。自分は罪に問われるのだろうか。
ある日突如我が家に官憲が訪問、捕縛・拘禁。職も自ら辞し、新聞等に取り上げられた上近隣住民の噂になり、住処を移さなければならなくなるのだろうか。
よし、今日から心を入れ替えルールを順守しようと自分はあらゆる神仏に祈り、誓った。
しかし、ここで別の問題が自分の頭に浮かんできた。
7種の塵芥を分別するにはその為の空間が必要になる。我が家には現在そのような空間がない。
解決方法として、塵芥を置く空間のある住居に移ることである。最低7部屋以上ある住まい。これにて問題解決。心が晴れ晴れしてきた。
いや、またもや問題発生。銭金の問題である。自分の収入ではとてもそのような住居を購入又は賃貸することは不可能。
このようにして、自分は何一つ問題を解決できない人間の屑としてびくびくと怯えながら世間の片隅で生き続けなければならないのである。