○月○日 朝
まだ重たい頭・体を布団の中から起こし
結露のついた窓を開け放つ。車・バイクの走る音と一緒に、ヒンヤリとした風が入ってくる。
寝ぼけた頭、顔、首、手、胴体、臀部、脚、足のつま先まで突き抜ける。
かなり夜明けが早くなってきた。
また今日も一日が始まる。夜明けの風景を写真で切り取る。
窓から下を見ると駅に急ぐ会社員が歩いている光景を見ると、自分の中で疎外感が頭を擡げる。
去年末より約十年寛解していた鬱病が再発し休職中なのだ。年末から年始のほとんどを布団の中で過ごしていた。
自責の念に苦しめられながら、ずっととろ火で煮られているかの様な約二週間。お風呂にも一週間程入れなかった。
音楽を聴いても耳障りだし、本を取り出し読もうとしても文字が頭に入らない。
普通に楽しめていたことが苦痛にしかならないのである。
ネット見ても鬱病に関して大体同じようなことが書かれているサイトが出てくる。
「休みなさい」「自分を追い詰めない」云々(でんでん)…
自分は病識があるので判っているのだが、それでも辛さは変わらない。
ある日、アルコール依存症や薬物依存患者のような当事者会みたいものがないかと
ネットで検索してみると一件だけ見つかった。近々当事者会が行われることも知った。
しかも自宅から歩いていける距離が会場である。
参加したい人はメールでご連絡を下さいと書いてあった。
自分は参加に躊躇し、参加希望のメールを送るのに悩んだ。
通院している心療内科でも老若男女多くの患者と出会う。
しかし、会話等することはほぼ皆無。
同じ病気を抱えている事だけを接点に何を話せばよいのか。全く初対面の人達と。
考えに考えた末、参加希望のメールを送ったのは当事者会が行われる前日であった。
プライバシーのこともあり、詳細は書けないが結論から書くと参加してよかった。
年齢もほぼ同じぐらいの7人ぐらいが円になって座る。
沈黙の時間も多い。その内誰かが話し始める。
話される言葉に対して、アドバイスや批評めいた言葉は返さない。大人しく黙って聞き続ける。
「全国いのちの電話」等で一番大事なことは電話を架けてこられた人の言葉を黙って聞き続けることだということを聞いたことがある。
ぽつりぽつりと話されている言葉に、「皆、同じことを考え焦り悩み日々暮らしているんだな。」と思い共感した。
皆毎日病気と向き合い自責の念にかられつつ、だが今の状態ともがいている。
また参加したくとも、外出できないもっと状態の悪い人達もいるだろう。
3月にも開催される予定なのだが、参加するかは、またノンビリ考えてみるとする。
だって当日ドタキャンもOKというユルイ集まりなのだから。