明日から数日拙宅を離れ、病を治すための病院に入る。
ここ数年前から年一回の割合で入院しているので、特別な悲観・楽観もない。
これが幼少の頃にあった林間学校、修学旅行等であれば団体行動に不快を感じる自分と言えど、多少なりともワーイ!と興奮・盛り上がり。
普段持ちなれぬ金銭を持ち贅を楽しみ、見慣れぬ風景に心洗われることもあったやもしれぬ。
しかし、この度家を離れる理由は病気を治す為の手術を伴う入院なのだ。
病院も拙宅より徒歩約五分に建っている。窓を開けちょっと顔を出せば十一階ほどの病棟が見えている。
入院生活は規律正しく、起床六時、朝食八時、昼食正午、夕食十八時、消灯二十二時。
また入院を経験したことがある人ならご存知かもしれぬが、何かと準備が面倒である。
入院に際しての提出書類に始まり、箸・湯呑・着替え・洗面道具・タオル等、寝食衣に最低限の用意が必要。
あとここ数年の経験上、手術以後退院までは大変暇なのでテレビ放送を見る習慣のない自分は暇を潰すことが必要になってくる。
病院を抜け出し走ったり、ジムに行って泳いだりするのも暇を潰すには最適であるがその手段を選択した場合
間違いなく担当医、看護師に叱責・退院を勧められ、今後の治療を断られるだろうと知恵の浅い自分でも判断できる。
自分は六弦ギターを少々嗜むので、室内でベッドの上で弾いたりするのも暇は潰れるだろうが
同室の患者に叱責もしかすると殴打され、入院期間が長引いた上またしても上に記述した結果が待っていることは必定。
したがって退院までの日々を本、音楽再生機を用意することになる。
本は数か月前に購入したkindle、音楽・ラジオをを聞くのはiPod、DVDも数枚持参する。
今、DVDは何を持っていこうかと選んでいる自分を振り返ってみると、普通の旅装の準備とほぼ変わらないことに気付いてしまい
緊張感もなくヘラヘラしている自分を責めながらも許し、炭酸水を飲んで明日に備えて
六時にクラフトワークの「アウトバーン」を目覚ましがわりにセットしました。