○月○日
入院し、四人部屋の一角のベッドを与えられ採血、検温、血圧を定期的に測り、定時になれば朝餉、昼餉、夕餉もきちんと病室まで持って来られる。
手術は入院日の次日。
手術は午後二時からとのことで、一日絶食。下剤を飲んで腸内をなるべく空にし、更に浣腸剤を入れられる。
例え手術前のこととは言え少し恥ずかしい思いであった。
これで準備完了!とまたベッドに寝転がって時間待ちをしていたのだが自分の考えは甘かった。
再度看護師がやってきて下腹部の毛を剃り、尿道カテーテルを入れます。と宣言された。
如何に今年2017年・ 丁酉の干支で齢四十九になるオッサンといえど、少し恥辱の念を感じる。
勿論看護師は剃毛をすることは、手術の準備として手術師より上意下達、ただ業務命令として行っているであろうことは自分にも理解できる。
もし、この場において看護師の願いを固辞しそのまま手術室に運ばれたなら、看護師は上役から叱責を受け手術日変更なんてな事になり
看護師の間で「不埒な奴だ」等と噂され「あんな野郎に配膳持っていく必要ねえょ」と食も止められ餓死の計を受けるかも知らん。
というわけで自分は黙ってパジャマのズボンを下されるがままになった。
時間通りにベッドに寝たまま手術室へ。
手術自体は局所麻酔をするものの肉体的痛みも感じず、息を吐いたり吸ったりの指示どうりしているだけでよかった。
ただ、一つ精神的苦痛を与える要素があった。
その手術室には何故だかうっすらと音楽が流れていたのである。
ここ数年手術をしたが今まで手術室に音楽が流れているようなことは一度もなかった。
しかも所謂J-POPというのが漫然平然と流されていた。(多分B’zであったと察する。)
手術を受けていることよりも音楽が気になっているのは、自分一人で手術医その他助手であろう方々も全然気にされている様子は見受けられなかった。
「音楽止めてくれないかしらん」等と頭で心で反芻している内に手術終了。
また、ベッドで病室まで運ばれ約10時間ほどの安静の指示を受け、猫動画を見ながら横臥してました。